2025年4月23日

生まれか、育ちか ー ストレッチが教えてくれること


4月から朝カル新宿の講座が10階の教室に変わったのに、ついクセでいつものように前までの11階で降りてしまいました。

あれ?と思ってあたりを見渡すと、そこにはあちこちに「養生中」の張り紙が。

この「養生(ようじょう)」という言葉、少し古風で、日常ではあまり耳にしないかもしれません。でも、実はとても奥深い言葉なんです。

私がこの言葉を初めて知ったのは、『養生訓』という書物を通じて。江戸時代の儒学者・貝原益軒(かいばらえきけん)によって書かれた、健康に生きるための指南書です。

養うこと=nurture(ナー チャー)
それに対して、生まれ持った性質や状態はnature(ネイ チャー)

生まれながらに備わっている機能「nature」はありがたいとして、腰や肩、股関節などはどうでしょう?若いころは自然に動いていた場所が、年齢とともに固く、動かしづらくなっていきます。

これは、「養生」=nurtureが必要な部分。日々のケアやストレッチを怠れば、自然と固くなってしまうのです。

つまり、体の柔らかさは「natureだけでは保てない」。
意識して手をかけ、育てる=nurtureすることが必要なんですね。

私たちは、どこかで「体は自然のままでよい」と思いがちです。けれど、動かす・伸ばす・ゆるめるという習慣は、自分をいたわり、育てる「養生」の第一歩。

ストレッチというnurtureを積み重ねていけば、身体はちゃんと応えてくれます。

ふとした“階違い”から、そんなことを考えた春の朝でした。



『PHPからだスマイル』6月号に掲載されました!

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