4月から朝カル新宿の講座が10階の教室に変わったのに、ついクセでいつものように前までの11階で降りてしまいました。
あれ?と思ってあたりを見渡すと、そこにはあちこちに「養生中」の張り紙が。
この「養生(ようじょう)」という言葉、少し古風で、日常ではあまり耳にしないかもしれません。でも、実はとても奥深い言葉なんです。
私がこの言葉を初めて知ったのは、『養生訓』という書物を通じて。江戸時代の儒学者・貝原益軒(かいばらえきけん)によって書かれた、健康に生きるための指南書です。
養うこと=nurture(ナー チャー)。
それに対して、生まれ持った性質や状態はnature(ネイ チャー)。
生まれながらに備わっている機能「nature」はありがたいとして、腰や肩、股関節などはどうでしょう?若いころは自然に動いていた場所が、年齢とともに固く、動かしづらくなっていきます。
これは、「養生」=nurtureが必要な部分。日々のケアやストレッチを怠れば、自然と固くなってしまうのです。
つまり、体の柔らかさは「natureだけでは保てない」。
意識して手をかけ、育てる=nurtureすることが必要なんですね。
私たちは、どこかで「体は自然のままでよい」と思いがちです。けれど、動かす・伸ばす・ゆるめるという習慣は、自分をいたわり、育てる「養生」の第一歩。
ストレッチというnurtureを積み重ねていけば、身体はちゃんと応えてくれます。
ふとした“階違い”から、そんなことを考えた春の朝でした。